君を今日も 愛してる!

おもいを綴るばしょ

おしごとのはなし

わたしは、障害者の人を社会に送り出す支援をしています。

いわゆる「卒業生」をたくさん出していくもの。

 

毎年、一部の利用者(今も定期面談してる人もいるけど)からわたしの名前宛に年賀状が届くことがひそかな楽しみなんだけどね。

 

 

 

今年は「グループホームに入り毎日嬉しいです」と書いてくれた利用者にグッときた。

 

 

 

グループホームに入る」ということは、業界の人にしか分からない感覚もあるかもしれないし個人によって事情は様々なのだけど、この人の場合は、「親元を離れてひとりだちの一歩」という意味合いを持つ。

 

本人や家族にとって18歳の大学進学、22歳の就職で、

一人暮らしを始めるような感覚、かな。

 

 

 

この人はお母さんともいい関係を築かせてもらっていることもあり、わたしのなかで大きな存在だったし、家族を含めた、将来をふくめた支援観を育ててくれた家族だと思っている。

 

 

くわしくは割愛するけど、

本人を特別扱いしないこと

本人の決定を尊重すること

たくさんの葛藤があっただろうけど

この二本柱がとても素敵だなと思う

そして人間らしさを見せてくれるお母さんで。

 

面談で「グループホームに見学に行った時に、(本人気にしてないけどお風呂は古くあまりきれいじゃなかったらしい)ああここで暮らすのかぁとおもったらちょっぴり切なくて」と話してくれた。

 

わたしの母が、就職して引っ越す時の内見で言っていたことと同じだった。

 

 

娘が暮らす家の雰囲気ってそりゃ綺麗な方がいいけどそんなに気にするのかなと思っていたが、そういうものなんだろうなぁ。と思えて、胸がきゅっとした。

 

そして、同じなんだなぁ。と。

 

母としての気持ちは想像でしかないけど、

子育てもしたことないような小娘だけど

家族のことを尊重したいと大切にしてきた。

ちゃんとそれも伝わってたことが嬉しかった。

 

 

就職が決まった時の寄せ書きに

「自分で見つけて自分で選んだ道、よかったですね。よろこびと責任を持ってたくさん成長してください。」と書いた言葉が、

(若い子たちは自己選択がテーマだと思って支援している)

とてもわたしらしくて嬉しかったと話してくれた。

 

他の保護者にわたしのことを

「将来と家族を意識して関わってくれた。」

「親よりも娘を分かってくれるかもしれない。そんな存在がいることが娘にとってありがたい。」

と言ってくれたらしい。

 

とてもうれしいなぁ。きっと一生励みだろうな。

 

 

なにより、面談で仕事の話だとか

作業所での取り組みだとか課題だとかでなく

 

親としての気持ちをたくさん聞かせてくれてたこと

その「本人」の話がたくさんできたこと

「ここで本人のためにあえてこうしてみたんです!」というがんばりを聞かせてくれたこと、

そして挑戦して失敗してしまった笑い話、、

 

 

もしかしたら友達とのカフェでのお話みたいだったかもしれない

支援者と家族の面談らしくはなかったかもしれない

 

でもわたしが大切にしたいことも

本当に必要だと思うことってそういうことだ。

 

 

 

 

 

もちろん、その中には、

知識も経験も専門性も必要。

だけど専門性の強い仕事だからこそ

役割分担と線引きが重要な仕事だからこそ

知識と経験と専門性を武器にしたなかで

そんな関わり方をしたいと強く思った。

 

 

 

もっと言えば、業績の統計だけでみられたら

この人のケースは褒められる結末ではなかったかもしれないけど

わたしと本人と家族の中では最善だったし

最高の結果だし将来に繋がっていると確信してる。

 

 

 

 

社会に送り出すということは、

こういうことなんだ、この一歩をきっかけに

たくさんの扉を開いていくんだ、と

わたしの役割の大きさを再確認したし

よろこびだなぁと思えて書き記したくなったのであった。

 

 

そんな人たちがいることを、

ぜひ覚えていてくださいな。

うれしいきもち。